ファンクショナルトレーニングとは機能的トレーニングのことです。
では、ファンクショナルトレーニングで腹筋を鍛えるとどんな効果が得られるでしょうか?
腹筋を機能的にすると体幹つまりバランスが安定したり、ボールを遠くに投げたり蹴ったりすることが出来るようになります。
なぜなら腹筋(体幹部)は、下半身と上半身を繋ぐ役割をしているので腹筋が機能していないと足や腕に効率的良く力を伝えることが出来ないからです。
しかし、腹筋を沢山鍛えたりムキムキにするだけでは機能的になりません。
そこで、これからどうすれば腹筋を機能的にすることが出来るのか実際に自宅でも可能なメニューをご紹介しながらお伝えしていきたいと思います。
ファンクショナルトレーニングについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。
目次
ファンクショナルトレーニングで腹筋を鍛えるとこんなに変わる
腹筋つまり(体幹部・体の中心部)が機能的になると腕や足に力を伝えやすくなります。
つまり、ボールを速く投げることが出来るようになったり足が速くなります。
では、なぜそのような効果が得られるのか具体的に説明をしていきたいと思います。
バランスが安定すると力が伝わる
体幹が安定することによって、力の方向が分散しなくなります。
自分が力を伝えたい方向に力を伝えられないのは効率が悪いです。
例えば、柔らかいボールと硬いボールが体に当たった時に皆さんはどちらの方が痛いと感じますか?
もちろん、硬いボールが当たった方が痛いと感じるはずです。
皆さんの体も同じで柔らかくでバランスが悪いよりは、硬く安定した状態の方が力が伝わるということになります。
ファンクショナルトレーニングでしなやかな動きが手に入れられる
プロのスポーツ選手や世界的なダンサー達の動きは、テレビを通して観ている私たちからしても綺麗な動きだなあと感じるはずです。
しなやかな動きからより大きな力が生まれるのです。
しなやかな動きから力強い動きが生まれるのは、鞭のように柔軟性がある体から大きな力を伝えているからです。
腹筋と体幹について
ここでは、皆さんに腹筋とお伝えしておりますがファンクショナルトレーニングでは体幹部のことを定義しています。なぜかというとファンクショナルトレーニングは動きを機能的にするトレーニングのことですので、腹筋のように1つの筋肉に絞って考えてしまうことは、動きを機能的にするトレーニングと結びつかないからです。
効果的に腹筋を鍛えるための条件
例えば、野球のピッチャーが球を投げる時に身体を大きくしならせている光景を目にすると思います。
体を大きく反らしているということは、腹筋を使っていないんじゃないか?
実は、腹筋は体を起こすために働くだけではなくエキセントリック(伸びながら力を発揮している)働く機能も持っています。
ここからは、従来の体を起こすだけの腹筋運動ではなく、より機能的なトレーニングを行うための定義や条件を説明させていただきます。
体幹が機能するための条件
先に動作を機能的にするためには、体幹を機能させる必要がある。
体幹を機能させるために必要な条件は下記
- 安定性を獲得している
- 「分離と協同」が機能している
- 立っている時に機能している
- 体幹のエキセントリックが機能している
体幹が安定しているとは?
もしも体幹が不安定だと次の項目の「分離と協同」が機能しなくなります。
例えば、Y字バランスのように足を大きく開こうとした時に当たり前の話であるがバランスを崩してしまうと足を開くどころか倒れてしまうだろう。
分離と協同とは?
簡単に説明をすると「動いている部分」と「動いていない部分」があるということになる。
それを人間の関節で例えると骨盤が安定している状態で股関節が動いている状態で、体幹部の分離と協同は以下
分離と協同 | |
骨盤 | 安定している |
股関節 | 動いている |
胸郭 | 動いている |
立っている時に機能しているか
立位(立っている)の時に機能しなければ意味がありません。
なぜなら、私たちは常に立っている状態で動いている(動作)ことが多いからです。
どんなにバランスを保つことが出来ても立っている状態で発揮されなければなりません。
エキセントリック収縮
一般的な腹筋運動(起き上がり運動)では、体を丸めることがメインになります。
エキセントリック収縮では、体を伸ばした時(反った時)に筋肉が伸びながら力を発揮している状態です。
これが機能することによってしなやかなで大きな力が生まれます。
自分がどれだけ動けるのか確認することが重要
ここまで腹筋が機能するための条件を説明しましたが、どの段階で自分が機能不全(機能していない)のかを知ることがスタートラインです。
インターネットや本に書かれているトレーニングをいきなり始めるのは好ましくありません。
なぜなら、体を機能的に動かすためにはあなたの体が機能的になっているかどうか知ることが重要です。
もしも、アセスメント(評価)をしないでトレーニングを始めると安定性が足りないのか柔軟性が足りないのか本当にあなたに必要なトレーニングが分からないままスタートしてしまう可能性があります。
本格的な機能の改善には専門家に相談すること
動きの評価やトレーニングプログラムを作ることは、専門的なトレーナーでなければ難しいことが多いです。
もしも、本格的にファンクショナルトレーニングを始めたいのであれば、専門的なトレーナーに相談することおすすめします。
鍛える前にストレッチで可動域を改善する
関節や筋肉の柔軟性に問題がないこともありますが、多くの場合は柔軟性を改善したほうが良い評価になります。
もしも、動作を評価した結果が柔軟性に問題があるのであれば、トレーニングの前にストレッチやエクササイズで柔軟性を改善してからファンクショナルトレーニングに取り組みましょう。
エクササイズの強度や順番を守る
体幹が機能している条件で説明したようにほぼ同じ順番でファンクショナルトレーニングを行うことになります。
いきなり立った状態でトレーニングを行っても体幹が安定している状態でなければ、そのトレーニングを機能的に行えない可能性が高いからです。
腹筋を鍛えるファンクショナトレーニングのメニュー
ここからトレーニングメニューをご紹介させていただきますが、筋トレメニューの順番がファンクショナルトレーニングの理論に沿って組まれています。
可能な限り上から順番に行うようにしてください。
ファンクショナルトレーニングメニュー | |
体幹を安定させるメニュー | |
フロントブリッジ | 30秒×3セット |
サイドブリッジ | 30秒×3セット |
Bear Crawls | 10歩程度移動×3セット |
しなやかな動きを手にいれるメニュー | |
サイドブリッジの応用 | 10回×3セット |
TGU | 5回×3セット |
実際の動きに近い姿勢で機能させるメニュー | |
体幹 前後屈 プル | 10回×3セット |
体幹を安定させるメニュー
柔軟性の次に求められる身体の機能は、安定性(バランス)です。
フロントブリッジ
- 肩の真下に肘を置くように姿勢を真っ直ぐにする
- 姿勢が崩れないように真っ直ぐ保つ
サイドブリッジ
- 肩の真下に肘を置くように姿勢を真っ直ぐにする
- 姿勢が崩れないように真っ直ぐ保つ
bear crawls
- 四つ這いになり、膝を少しだけ床から離す
- 手と足を前に少し移動させる(対角線状の手と足)
- 10歩程度、交互に移動させて前に進む
四つ這いの姿勢を保ちながら前に進むエクササイズです。
日本で見慣れないかもしれませんが、海外で良く好まれているエクササイズです。
しなやかな動きを作るメニュー
体幹の安定性の次に求められるのは、「分離と協同」です。
つまり、体幹が安定している状態で手や足を動かすエクササイズを行いましょう。
サイドブリッジの応用
- 膝を曲げてサイドブリッジの姿勢を作る
- ももの付け根から足を大きく前後に振る
TGU(トルコ式ゲットアップ)
- 肘を支点にして起き上がる
- 肘を伸ばしてバランスを保つ
- お尻を持ち上げる(手の位置を変えない)
- 膝をダンベルの下に滑らせるように移動する
- 手を離して膝立ちになる
- ダンベルが揺れないように立ち上がる
- 5~1の順番で最初の姿勢に戻る
実際の動きに近い姿勢で機能させるメニュー
バランスを取りながら色々な体勢で体を動かした後は、エキセントリック収縮が要求される動きを取り入れることが大切です。
今回は、腹筋にも効果的なトレー二ング方法をご紹介します。
体幹 前後屈 プル
- 体を大きく後ろに反らす
- 背中を丸めるように体を倒す
まとめ
今回は、腹筋を効果的に鍛えるファンクショナルトレーニングのメニューをご紹介しました。
もしも、「ファンクショナルトレーニングのことが全然わからない!」という方は、以前に執筆した記事を参考にしてみてください。
すぐにトレーニングをやってみたいという方は、下記の順番で記事を読んでみて下さい。