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韓国歌手IU(アイユー)ダイエットとは?やり方・食事方法を専門家が徹底解説

韓国歌手IU(アイユー)ダイエットとは?やり方・食事方法を専門家が徹底解説

IUダイエットとは、韓国で人気の女優IUが行ったダイエット方法です。

撮影のために、急遽5日で5キロの減量に成功したということで話題になっていますが、非常にハードなやり方ですので注意が必要です。

この記事ではIUダイエットのやり方、効果だけでなく、デメリットや注意点をご紹介します。

IUダイエットとは

IUダイエットとは?

1日の摂取カロリーを500kcalに抑えるため短期間で体重を落とす効果があります。

しかしあまりに極端な食事制限を行うため、現在では本人でさえも「おすすめしない」というほど過酷なダイエットです。

IUダイエットは効果がある?

IUダイエットは効果ある?

食事量を極端に減らして数日過ごせば体重は落ちますので、数字的に効果はあります。

しかし、リバウンドや体調悪化などの体に与えるリスクが大きすぎるためお勧めはできません。

人間の体は食事の栄養で生み出す力(エネルギー)がないと動きません。

IUダイエットでは、基礎代謝以下のカロリーしか摂取していないわけですから、生きるために必要なエネルギーが完全に枯渇しています。

その後、元の食事にすれば血糖値が一気に上がりどんどん体に溜め込もうとするホルモンも働くのでリバウンドの可能性が非常に高くなります。

長期的に見ても、糖をエネルギーに変換してくれる機能(耐糖能)が失われてしまうリスクもあるのでおすすめしません。

IUダイエットのやり方・食事方法

IUダイエットのやり方・食事方法

IUダイエットのやり方は、1日の摂取カロリーを500kcal以下に抑える食事制限をしながら、簡単な運動を加えるというものです。

もちろん間食もできませんし、アルコールの摂取も控えます。

IUダイエットの食事量

IUダイエットの食事量

IUダイエットでの食事量は、朝食でりんご、昼食でさつまいもかバナナ、夕食はプロテイン、たっぷりの水、これだけです。

朝食は「りんご」

りんご

まず朝食ではりんごを摂ります。

表)りんごのカロリー

Sサイズ

170g

92kcal

Mサイズ

255g

138kcal

Lサイズ

350g

189kcal

リンゴはビタミンC、食物繊維、カリウム、ポリフェノールなどを含み、栄養のバランスが良い果物です。

りんごに含まれる食物繊維には腸内環境を整える効果がありますので、便秘予防や肌荒れ予防にも役立ちます。

昼食は「バナナ」or「さつまいも」

バナナ

昼食ではバナナかさつまいもを摂ります。

表)バナナとさつまいものカロリー

バナナ

1本

77kcal

さつまいも

Sサイズ1本100g

132kcal

さつまいも

Mサイズ1本200g

264kcal

さつまいも

Lサイズ1本300g

396kcal

バナナは栄養素が豊富に含まれており、ビタミンB群やカリウムも含まれています。

バナナに含まれる糖質(果糖)は吸収も早いのも特徴です。

たんぱく質の代謝に必要なビタミンB6や抗酸化作用があるポリフェノールも含まれるため、筋肉の疲労回復にも役立ちます。

さつまいも

さつまいもには食物繊維が多く含まれ、100gあたり約3gを含みます。

食物繊維は腸内環境を整える作用があり、便秘解消や肌荒れ予防に役立ちます。

さつまいもに含まれるカリウムには余分な水分や塩分を排出する作用があり、
むくみ対策にも効果的な栄養素です。

夕食は「プロテイン」

プロテイン

プロテインはダイエットで不足するたんぱく質をすばやく補給できるだけでなく、カロリー不足で起こりやすい肌荒れなどの予防のためにも、摂取しておきたいものです。

現在、様々な種類が販売されており、カロリーもメーカーによって差がありますが、一般的には1回量20g当たり70〜120kcalほどと低カロリーですので好みによって選んでも良いでしょう。

IUダイエットの総摂取カロリー

IUダイエットでは、1日の摂取カロリーは最小297kcal〜最大670kcal です。

2015年の日本人の基礎代謝基準値から考えても非常に少ない摂取カロリーです。

(基礎代謝とは、1日安静にしても生命を維持するために必要なエネルギー量のこと)

表)男性の基礎代謝

  • 18-29歳
  • 1520 kcal
  • 30-49歳
  • 1530 kcal
  • 50-69歳
  • 1400 kcal

表)女性の基礎代謝

  • 18-29歳
  • 1100 kcal
  • 30-49歳
  • 1150 kcal
  • 50-69歳
  • 1100 kcal

女性で考えても基礎代謝の半分しか摂取できないIUダイエットは、体へのダメージが非常に大きくなります。

IUダイエットの飲み物は「水」

水

IU(アイユー)ダイエットでは1日2〜3Lの水を飲むことも推奨しています。

しかし体重によって適切な水の量が異なります。

1日に摂取する水の量は、健康な成人が1日で体重1kgにつき約35 mlの水を飲むことをお勧めします。

(一般的に言われている量)

体重50kgの人は1.7L、体重60kgであれば2.1Lほどです。

体重が多ければ多いほど、必要な水分量は増えます。

適切に水を飲むことで血中の水分量が適切になり、血行が改善されやすくなります。

血行がよくなると体の隅々まで栄養や酸素を運べるため、細胞の活性化、つまり代謝が上がりやすくなります。

ただし、1回に吸収できる量は150-250mlほどですので一気に大量ではなく、こまめに水分をとることもポイントです。

IUダイエットの運動方法

IUダイエットの運動方法

IUダイエットでは、IU本人が歌やダンスのレッスンの他に階段を上り下りしたり、スキマ時間に腕立て伏せやスクワットを取り入れていたようです。

なぜ運動が必要かというと、摂取カロリーが落ちると筋肉を分解してしまうため、筋肉量が減って代謝が落ちるのを防ぐためです。

運動習慣のない方が急に激しい運動をするのはハードルが高いですが、できることからやってみましょう。

例えば、

・通勤時、一駅分歩く

・エレベーターを使わず階段を使う

・歯磨きのついでにしゃがんで立つを繰り返す

いかがでしょうか?

すぐ取り入れられそうですね。

りんご・さつまいも・プロテインの代わりには何がおすすめ?

代わりには何がおすすめ?

りんごの代わりとしては、キウイ3個、みかん4個程度をおすすめします。

食物繊維やビタミンが豊富ですし、ジュースにして摂ることも可能です。

サツマイモの代わりとしては、バナナ2本、納豆ご飯1杯程度が食べられます。

納豆ご飯の場合は、炭水化物だけでなくたんぱく質もしっかりとれますが、カロリーが高くなりますので食べ過ぎ注意です。

プロテインの代わりとしては、鶏ささみやスルメ、ビーフジャーキーなどでたんぱく質を補給できます。

IUダイエットを3日間チャレンジした方の効果・何キロ痩せる?

何キロ痩せる?

実際、IUダイエットをした方の効果としては、体重が3日で2,2キロ減ったそうです。

体験談をまとめました。

初日・・

「昼食の段階で相当空腹感が強く、ひたすら水を飲んで我慢し、軽い運動をして夜はすぐ寝た」

2日目・・

「初日以上の空腹感がありしんどかった。しかし、朝の体重測定で1,4キロ減っていたことでモチベーションを保ち、とにかくたくさん噛んでゆっくり食べて凌いだ」

3日目・・

「2,2キロ体重が減っていたことでより運動を頑張れた!ダンス系のYouTubeをみて楽しく汗をかけたことが楽しかった」

たった3日でもここまで体重が落とせるなら効果はありそうですが、かなりの忍耐力が必要であることは間違いなさそうです。

IUダイエットを専門家がおすすめしない理由

IUダイエットをおすすめしない理由

IUダイエットは効果がないわけではありませんが、過酷な食事制限を行うため体にとってはデメリットが大きいのです。

ここでは、おすすめしない理由をご紹介します。

IUダイエットをおすすめしない理由
  1. 1日のカロリーが足らなすぎる
  2. 血糖値が乱れてしまう
  3. 運動するために必要なタンパク質が足りない

1日のカロリーが足らなすぎる

1日のカロリーが足らなすぎる

基礎代謝を下回るカロリーでは全く足らず、逆に痩せにくくなります。

なぜならカロリーが足りないと人間の体は生命維持を優先するために代謝を落としていくからです。

そして少ないエネルギーを溜め込もうとするため脂肪を蓄えやすくなり、またエネルギーを自分で生み出そうとするために筋肉を削るため、どんどん代謝が落ちるという悪循環になります。

こうなってしまうと代謝を元に戻すのは非常に時間がかかり、より痩せにくい体になるのでカロリーが少なすぎるのは問題なのです。

血糖値が乱れてしまう

血糖値が乱れてしまう

血糖値の乱れが起こります。

空腹状態が長く続いた後に、炭水化物をとると血糖値が急上昇しますが、その急上昇した血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されます。

インスリンは余った糖質を脂肪として溜め込む性質があるため、血糖値が乱高下する状況はダイエットには大敵なのです。

IUダイエットでは食事量が少ない上に間食もないので長時間空腹となり、血糖値が下がり切った状態が続きます。

血糖値が低くなりすぎると、集中力低下、イライラ、強い眠気、体の震えなど体調面でも不安が多くなる上に、サツマイモやりんごなどの炭水化物を単体で摂取することになるので、血糖値の急上昇は避けられません。

ダイエットのつもりが、血糖値の乱れにより太りやすくなる可能性が高いということを理解しておきましょう。

運動するために必要なタンパク質が足りない

IUダイエットでは運動を取り入れることが条件ですが、運動をした効果を発揮するためのたんぱく質量が全く足りていません。

成人女性の必要たんぱく質量は1日当たり50gほど(体格にもよりますが)ですので、IUダイエットで摂取する食べ物では半分にも達していないのです。

具体例 プロテインを1日1回摂取したとしてもたんぱく質量は20g、りんごとサツマイモを合わせても23g程度です。

たんぱく質は筋肉のためだけでなく、体のあらゆる重要なパーツを維持するために必要であり、女性であれば髪のつや、肌の調子などにも関わってきますので食事でしっかり摂るのが理想です。

IUダイエットをした本人も、今はもう「おすすめしない」というほど過酷だったということがわかります。

専門家がIUダイエットを改善して「安全なダイエット方法」を提案

IUダイエットはデメリットが大きいということがご理解いただけたでしょうか。

このやり方はお勧めできませんが、やはり痩せたいですよね?

ここでは専門家がリバウンドしにくく安全なダイエット方法をご紹介します。

①摂取カロリーは基礎代謝を絶対に下回らない!

摂取カロリーは基礎代謝を絶対に下回らない

IUダイエットではカロリーを極端に減らすため、体を動かす力を節約しようとして代謝が落ちてしまいます。

代謝が落ちると、体は食べたものをエネルギーとして出力できなくなりどんどん溜め込んでしまいますので、より痩せにくい体になるわけです。

基礎代謝は、先ほども触れたように女性でも最低1100kcalほどありますので、生命の維持すら危うくなるほど飢餓状態にしてしまうのはとてもリスクが高いといえます。

摂取カロリーが少なければ一時的に水分が抜けて体重は減りますから、その時は痩せたと錯覚するでしょう。

しかし、代謝が落ちてしまうとじわじわリバウンドし、気づいた時にはすでに痩せにくい体になっている可能性が高いのです。

②カロリーを減らしすぎずに栄養バランスを見直す!

栄養バランスを見直す

IUダイエットは、そもそもカロリーも足りていませんし、もちろん栄養バランスも全く充足していません。

まずは食べないと痩せるという考えを一度捨てましょう。

なぜなら人間の体は全ての行動においてエネルギー依存です。

食べたもののエネルギーがなければ動くことができません。

そのエネルギーを作り出すのが細胞の中のミトコンドリアなのですが、そのミトコンドリアを元気にするのは炭水化物なのです。

ダイエットのために炭水化物を抜いている方、真逆のことをしています。

カロリーを摂取するためには、まず自分の基礎代謝に活動量を考慮して理想のカロリー数値を算出します。

個人差はありますが、一般的な女性の推奨摂取カロリーは1700〜2000kcalほどになりますので、これを朝・昼・晩の3食で分けて取れるようにしましょう。

バランスよく、3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)をとりビタミン、ミネラルを加えることを心がけていきます。

定食スタイルの食事にすると自然と主食・副菜・果物・乳製品が揃いますので、まずは整えていきましょう。

IUダイエットに関するよくある質問

質問

IUダイエットに関する質問にお答えします。

1日だけIUダイエットは意味がありますか?

1日だけIUダイエットは意味がないでしょう。

カロリーを極端に減らせば水分は抜けて体重が減るように感じるケースもありますが、脂肪が減るわけではありません。

脂肪は1キロ当たり約7200kcalありますので、1日だけIUダイエットでカロリーを抑えられたとしても1500kcal程度です。

元の食事にすればすぐ戻るでしょう。

逆に、低血糖の症状でだるさや眠気、震えなど、出てしまうためデメリットの方が大きいです。

IUダイエットはどのくらい期間やるべき?

IUダイエットをどのくらいの期間やるかというよりは、やらないべきです。

そもそも、IUダイエットのような短期間で極端な食事制限をするダイエットはリバウンドの可能性が非常に高く、代謝能力も落ちてしまうことが考えられます。

空腹や低血糖症状に耐えて苦しい思いをすることと引き換えにするにも、水分が抜けて目先の体重が落ちるだけなので、あまりにもメリットが少ないでしょう。

まとめ

IUダイエットは、極端なカロリー制限で一時的に体重を減らすことは可能です。

しかし非常に過酷であり、リバウンドや代謝低下の可能性が高くリスクの高いダイエット方であることがいえます。

短期的に極端なことをするのではなく、体調を確認しながら少しずつ栄養バランスを整えてリバウンドのない体作りがおすすめです。