体幹のインナーマッスルをトレーニングする意義
体幹が不安定だとか、コアが効いていないだとか、コアが使えてないだとか曖昧な表現がされていますね。
なぜかというと、まだ完全な定義が存在しないからです。
このような場合、情報を発信する側が他のexerciseと差別化を図るために、いくらでも定義を変えることができるため、様々な表現の仕方があるのではないかと思います。
今回、ここで取り上げるのは、「機能的脊柱単位の不安定性」について考えてみたいと思います。
目次
機能的脊柱単位とは
定義は、『すべての脊柱要素を含んだ最小単位の脊柱分節』です。簡単に言うと椎骨が2つ重なっていて
それを構成する
- 関節
- 椎間板
- 靱帯
- 筋
- 関節包
- 神経組織
- 脈管系
など全ての要素が含まれます。
体幹の不安定性とは
機能的脊柱単位が安定していれば、脊柱が安定しているということになります。
椎間板変性などで本来のボリュームを失うと、椎骨同士が接近し、靱帯系が緩みます。
そうすると椎骨間の剛性(スティフネス)が低下し、生理的な範囲を超えた動きが生じてしまいます。
つまり、不安定性とは剛性の低下による過剰運動性と言えます。
不安定性に対する筋活動
ようやく筋の話になります。
まずは腹横筋について考えてみましょう。
腹横筋は、その筋線維の方向からサポーターのような役割をして腰痛を改善しますなどと言われています。これは腰痛患者の腹横筋の反応が低下してることから考えられたわけですが、実際は痛みが先に出現して腹横筋の反応が低下するので、腹横筋を鍛えたら腰痛が改善するという短絡的な考え方には疑問が残ります。(良くなる人もいますのでご安心を)
腹横筋について
少し話がそれましたが、腹横筋は、胸腰筋膜という腰付近の大きな筋膜に付着しており、収縮すると胸腰筋膜を横に伸張します。胸腰筋膜が腰椎の棘突起に付着していますので、腹横筋の収縮は間接的に棘突起同士を接近させる作用があります。
一言で言うと、腹横筋は腰椎を安定させるということです。
そして、インナーマッスルの重要な点は、四肢の運動に先行して働く所です。
インナーマッスルが先行して働くと何が起こるのか?
一般的に、体幹(コア)トレーニングを行うと四肢の動きが良くなるというのはこの作用を説明したものだと思われます。
四肢の運動に先行してインナーマッスル(ここでは腹横筋としましょう)が働くと、先行的に脊柱の剛性(安定性)が高まり、四肢を動かしたときに体幹がぶれなくなるわけです。
腹圧の安定作用
腹圧がどうこうといっているのも、結局は脊柱の伸展作用を補助する作用のことをいっているのでやりたいことはみんな一緒ということです。
安定しているということは、脊柱がぐらつかないようにコントロールできている状態と考えることができるのではないでしょうか?
筋肉の反応を良くするということは、骨の動きのコントロールをつけることと同じです。
筋肉は、骨の動きに影響を及ぼすことが一番の仕事なのです。
今日のテーマのインナーマッスルをトレーニングする意義のまとめ
- 機能的脊柱単位の剛性を上げることが大切
- 腹横筋は、胸腰筋膜を引っ張ることで脊柱を伸展させて安定性を得る
- インナーマッスルは、四肢の運動に先行して働く
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今回は、体幹トレーニングの前に知ってほしい基本的な記事でした。
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