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意外と知られていない乳酸菌の4つの効果とは?オススメの乳酸菌3選

意外と知られていない乳酸菌の4つの効果とは?オススメの乳酸菌3選

乳酸菌をとることで様々な効果が期待できます。

その効果は、便秘の改善ダイエット効果アレルギー症状を和らげるなどたくさんのものがあるのです。

今回の記事ではその乳酸菌の4つの効果を、実際に効果が確認された研究を元に解説していきます。

しかし、乳酸菌の効果は大きく分けて2つ(プロバイオティクスバイオジェニックス)に分けることができるので、まずはこの2つの効果について知っておく必要があります。

その2つの効果を理解することで、乳酸菌が生きていても死んでいても様々な効果を発揮する菌だとわかるからです。

読み終えて頂ければ、乳酸菌の効果に深く納得して頂けるでしょう!

※乳酸菌とビフィズス菌は生物学的には種類が異なる菌です。今回はわかりやすく乳酸菌と一括りにしてご紹介していきます。

プロバイオティクスとバイオジェニックス

乳酸菌は主に腸内環境を整える効果(プロバイオティクス)と、乳酸菌自体が体に良い影響をあたえる(バイオジェニックス)2つの効果があります。

プロバイオティクスとバイオジェニックス

プロバイオティクス 生きたまま腸に届いて、腸内環境を整える効果のこと
バイオジェニックス 腸内環境を整えるのではく、直接ダイエット効果などを与えること

特に生きたまま腸に届く乳酸菌は、悪玉菌を減らしてくれるので腸内環境を整えてくれるのです。

 

腸内環境を整える(プロバイオティクス)

乳酸菌は、生きたまま腸に届くことで腸内環境を整える(プロバイオティクス)効果があります。

腸内環境が整うことで主に便秘が改善される整腸作用があるのです。

しかし、乳酸菌は胃酸などの酸に弱いものが多いので、生きたまま腸に届くのは難しいと考えられています。

クレモリス菌の効果

善玉菌のチカラEXに含まれている”クレモリス菌FC株”は胃酸に強く腸内環境を整えてくれる作用があります。

その中でも、クレモリス菌FC株のように胃酸に負けずに腸まで届いた乳酸菌が腸内環境を整えてくれます。

※胃酸で死滅してしまった乳酸菌は善玉菌のエサになることで、間接的に腸内環境を整えるとも言われています。

 

乳酸菌自体に様々な効果がある(バイオジェニックス)

乳酸菌は腸内環境を整えずに、乳酸菌自体が直接体に良い影響を与える(バイオジェニックス)効果もあります。

バイオジェニクスの代表例

例えば、ビフィズス菌BB536という乳酸菌は、この乳酸菌自体にアレルギー症状を和らげる効果がある研究でわかっています。

そのため、乳酸菌自体に効果がある場合は、生きているか死んでいるか関係がなく、必ずしも胃酸に強い必要がありません。

 

このように乳酸菌は腸内環境を整えたり、アレルギー症状を和らげたりする様々な効果があります。

しかも、乳酸菌は生きていても死んでいても効果を発揮するので、生きているかどうかはあまり重要ではないのです。

次の章からは乳酸菌の主な効果を4つご紹介していきます。

 

乳酸菌の4つの効果

乳酸菌は大きくわけて2つの効果がありました。

その中でも便秘の改善はもっとも有名な効果でしょう。

乳酸菌は腸の中で乳酸を作りだして、悪玉菌を減らすことにより腸内環境を整えるのです。

 

整腸作用による便秘の改善

乳酸菌は腸の”ぜんどう運動”(腸が動くこと)を刺激するので、便秘の改善に効果があります。

ぜんどう運動のイラスト-2

なぜなら、乳酸菌は腸の中でラクトバチルスやビフィズス菌といった、腸内有用菌を増加させるからです。

腸内有用菌は腸のpHを酸性にすることで、腸を刺激してくれるのです。

そうすると、悪玉菌である大腸菌なども減少するので、便が排出されやすくなります。

※腸のpHとは、腸の中が酸性なのかアルカリ性なのかを表す単位です。腸内環境が悪い腸はアルカリ性に近いので”ぜんどう運動”が刺激されにくいといえます。

 

脂肪の蓄積の抑制や減少によるダイエット効果

乳酸菌の中には脂肪が増えるのを防いで、脂肪を減らしてくれるものがあります。

特に「内臓脂肪」が増えるのを防ぐ効果があるのは、研究で既に明らかにされていることです。

ガセリ菌SP株という乳酸菌を使った研究では、内臓脂肪の減少が確認されました。

 

このことからも乳酸菌はダイエット効果があると期待することができます。

 

アレルギー症状の緩和

乳酸菌はアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を和らげる効果があります。

乳酸菌が和らげるアレルギー症状の例
アトピー性皮膚炎
花粉症
 アレルギー性鼻炎

それは、乳酸菌にアレルギーを引き起こす物質を抑える働きがあるからです。

実際にL-92乳酸菌という乳酸菌はアレルギーを引き起こす細胞が増えるのを防ぎ、アレルギー症状を和らげることがわかっています。

全ての乳酸菌がアレルギー症状を抑えるわけではありませんが、L-92乳酸菌のように特定の乳酸菌であれば効果が期待できるのです。

 

インフルエンザなどの予防

乳酸菌は免疫力を高めるので、インフルエンザや風邪の予防に効果があります。(免疫賦活)

ビフィズス菌BB536では高齢者を対象にした14週間の研究で、ビフィズス菌BB536を摂取している人のインフルエンザ発症数が有意に低いことがわかりました。

これはビフィズス菌BB536が免疫に関わる細胞を活性化したからだといえます。

※ビフィズス菌BB536は、免疫を上げる細胞であるマクロファージやNK細胞などを活性化させます。

 

乳酸菌の効果が出るメカニズム

乳酸菌は様々な保健効果があると確認出来ましたが、ここからはなぜその保健効果が見られるのか実際の研究内容も参考にその根拠をお伝えしていきます。

 

腸内細菌叢を正常化するから

乳酸菌は乳酸を生み出して腸の中のpHを酸性にするので、腸内細菌叢を正常化します。

腸内細菌叢が正常化されるメカニズム
  1. 乳酸菌は腸の中にある食べ物などを食べて、乳酸を吐き出します。
  2. 乳酸が吐き出されると腸のpHが酸性に傾くので、悪玉菌が死滅します。
  3. 悪玉菌が死滅すると日和見菌が善玉菌の味方につくので、善玉菌が優勢な腸内環境になるのです。

悪玉菌(大腸菌など)が優勢な腸内細菌叢では、タンパク質が腐敗されて出る毒素が便秘の原因となっています。

乳酸菌によって善玉菌が優勢になった腸は、腸内細菌叢が正常化されて、便秘が解消されるのです。

※腸内細菌叢とは善玉菌や悪玉菌が種類ごとにまとまったグループのことです。日和見菌は善玉菌と悪玉菌の中でも、優勢になっているほうに味方する菌です。

 

脂肪の蓄積(脂肪細胞の炎症を緩和して)を防ぐから

乳酸菌は脂肪細胞の炎症に関わるサイトカイン(タンパク質)を抑制して、脂肪の蓄積を防ぐ効果があります。

脂肪の蓄積を防ぐメカニズム
  1. 脂肪はTNFαやIL-6といったサイトカインによって炎症を起こしますが、乳酸菌がこのサイトカインを抑止します。
  2. そうすることで、アディポネクチンなどの炎症を抑えるサイトカインが正常に分泌されるようになります。
  3. アディポネクチンが正常に分泌されればインスリンの感受性も改善されるので、脂肪が増えにくくなるのです。

特に、小腸にあるラクトバチルス(乳酸菌)が脂肪細胞の炎症を抑えることが研究でわかっています。

また、先述したガセリ菌SP株の研究では、ガセリ菌SP株が腸管バリア機能を改善して、炎症物質が侵入するのを防ぐ効果が確認されました。

内臓脂肪低減の研究データ

このように、乳酸菌をとることで脂肪細胞の炎症が抑えられて、脂肪の肥大化を防ぐことが期待できるでしょう。

※高脂肪食により腸管バリア機能が低下すると、炎症物質が侵入して脂肪細胞の炎症を起こすこともわかっています。

 

アレルギー反応を引き起こすタンパク質の抑制をするから

乳酸菌はIgE抗体の分泌を促進するTh2細胞の免疫反応を抑制して、アレルギーの元からアレルギー症状を緩和することができます。

乳酸菌がアレルギーを抑制する

アレルギー反応抑制のメカニズム
  1. アレルゲンが体内に入るとT細胞に情報が伝達されます。
  2. 情報が伝達されるとTh2細胞が活性化して、アレルギーの原因であるIgE抗体を分泌します。
  3. 乳酸菌はこのTh2細胞の反応を抑制するので、IgE抗体の分泌を防いでアレルギー反応を緩和するのです。

これらの効果は特にビフィズス菌BB536で確認されています。

 

免疫細胞の活性化に関わるから

乳酸菌はNK細胞を活性化させて、ウィルス感染や腫瘍細胞からの防御に役立ちます。

免疫細胞を活性化させる

免疫細胞活性化のメカニズム
  1. 乳酸菌をとると、NK細胞やマクロファージなどの免疫細胞が活性化されます。
  2. 特にNK細胞はウィルスを見つけ次第攻撃するので、免疫が上がります。
  3. すると、インフルエンザウィルスが体内に侵入しても、すぐに反応してウィルスを死滅させてくれるのです。

特にビフィズス菌BB536では動物でもヒトでもNK細胞の活性化が確認されています。

免疫を上げるには、NK細胞やマクロファージといった自然免疫と獲得免疫に関わる細胞を活性化させる必要があるので、乳酸菌は効果的だといえます。

代表的な免疫細胞
自然免疫 マクロファージ、樹状細胞
獲得免疫 NK細胞、T細胞

 

代表的な乳酸菌の種類と効果

乳酸菌は研究が進められているものだけでも300種類以上あると言われており、何にどの効果があるのかわかりにくいのが現状です。

乳酸菌は個別に効果が異なるので、摂取するとなれば目的に合ったものを選ぶ必要があります。

下記の表に代表的な乳酸菌とその効果をまとめました。

乳酸菌の名称 効果 含まれている食品やサプリ
ビフィズス菌BB536 アレルギー症状緩和 ビヒダス
クレモリス菌FC株 整腸作用 善玉菌のチカラEX
L-92乳酸菌 アレルギー症状緩和 アレルケア
乳酸菌シロタ株 整腸作用 ヤクルト
LGG乳酸菌 整腸作用 おなかへGG!
ガセリ菌SP株 ダイエット効果 ナチュレ恵
R-1乳酸菌 免疫力向上 R-1ヨーグルト
リフレクト乳酸菌 アレルギー症状緩和 アレルライトハイパー
ラブレ菌 免疫力向上 カゴメ ラブレプレーン

次の章からはもっとも効果の高い乳酸菌を3つご紹介するので、乳酸菌を選ぶ際の参考にしてください。

 

専門家がおすすめする3つの乳酸菌

ここまでご紹介した9種類の乳酸菌の中で、もっとも効果が高いのは以下の3つの乳酸菌です。

特にビフィズス菌BB536はアレルギー症状の緩和だけではなく、便秘の改善や免疫向上など様々な効果が期待できる乳酸菌です。

特定の効果を求めないならビフィズス菌BB536を摂取すれば間違い無いでしょう。

 

ビフィズス菌BB536(アレルギー症状緩和)

ビフィズス菌BB536はとても多くの作用が期待できる乳酸菌です。

もっとも効果が高いのがアレルギー症状の緩和でしょう。

アレルギー発症の原因であるIgE抗体を分泌する、Th2細胞を抑制するのでアレルギー症状が緩和されます。

特に花粉症に効果があり23名の中重等病に対する研究では花粉症の症状が有意に抑えられたことがわかっています。

※ビフィズス菌BB536はビヒダスのヨーグルトからとることができます。

 

クレモリス菌FC株(整腸作用)

クレモリス菌FC株は1000万個とるだけで効果が発揮されるので、多量にとる必要がなく整腸効果の高い乳酸菌です。

なぜなら、クレモリス菌FC株はEPS(多糖体)を作り出して、胃酸や胆汁酸に負けずに腸まで届くからです。

EPSとは微生物が菌体外に産生する糖のことで、デンプンや食物繊維などの一種です。

他の乳酸菌では1日に数億以上の乳酸菌をとって初めて整腸作用がありますが、クレモリス菌FC株の場合は1000万個で効果が出るので多量にとる必要がありません。

これは、EPSの効果で他の乳酸菌よりも多く腸まで届くからだと考えられます。

※クレモリス菌FC株は善玉菌のチカラEXからとることができます。

 

L-92乳酸菌(アレルギー)

L-92乳酸菌は幅広いアレルギーに対応できる乳酸菌です。

緩和されるアレルギー
  1. 花粉症
  2. アレルギー性鼻炎
  3. アトピー性皮膚炎

これはL-92乳酸菌がTh2細胞の抑制をするだけではなく、Th1細胞を活性化させる効果があるからです。

Th1細胞はインターフェロンγやマクロファージなどの免疫細胞を活性化させます。

なので、アレルギー症状を抑えるだけではなく、免疫も上げることが可能なのです。

※L-92乳酸菌はアレルケアからとることができます。

 

乳酸菌の研究は長期的な結果がまだ出ていない

乳酸菌は1920年代ころから発酵乳として摂取されてきましたが、まだ歴史が浅く長期的な研究結果が出ていません。

ここまでご紹介してきた研究結果も4〜12週間のもので、年間単位での研究結果は見つかりませんでした。

現在、多数の企業や大学機関でコホート研究(長期的な研究)が行われています。

例えば、国立大学法人東北大学東北メディカル・メガバンク機構と株式会社ヤクルト本社は2017年8月1日からコホート調査を実施しています。(平成32年度末まで)

このことからも、乳酸菌の効果に確証を得るにはもう少し時間がかかるのではないかといえます。

 

まとめ

乳酸菌はプロバイオティクス的、バイオジェニックス的要素を含む微生物です。

個々の種類によって効果が異なるので、摂取するときは適切な乳酸菌をとる必要があります。

そのためには、300種類以上ある中から乳酸菌を選ばなければなりません。

今回ご紹介したビフィズス菌BB536であれば、幅広い効果が期待できるのでビフィズス菌BB536をとることを推奨します。